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デザイン、経営などについて今この時代に向けての思いや考えを綴ります。

勝手にお客様が来るとでも

POSTED ON : 2022-01-04 23:12:56

経営





私が奈良に来たときに「大仏商法」という言葉を聞きました。
どういう意味か地元の人に聞くと、「大仏さんのように座っててもお客さんは来てくれはる。」と。
観光客が多いので、すすんで集客をしない。 こうした非常に消極的な奈良の商売人の姿勢だそうです。

そもそも、奈良や京都といえば国内の観光地としても定番。その時代の修学旅行先としても奈良や京都は定番。

しかし、時代はグローバル化となり修学旅行先も沖縄や海外などが増え、情報化社会となり全国各地の魅力ある情報が手軽に入手できたり、円高になると海外へと目も向くようになります。

直近は新型コロナウイルスにより旅行者が激減しているため、2019年の観光庁「宿泊旅行統計調査報告」によると、奈良県の国内宿泊者数は全47都道府県中、46位。宿泊施設の客室稼働率も46位で50%にも満たない状況です。









おそらく観光客は、奈良県だけでなく隣の京都府や大阪府にも観光に向かっているはずで、どこに泊まりたいかというと京都や大阪の方が夜は楽しそうだからということと思います。泊まる理由は奈良ではなかったということです。
つまり、奈良県の経済はナイトエコノミーが大きな課題の一つだと考えます。
関東でも東京の隣、神奈川県横浜市の林市長もナイトエコノミーの充実がテーマだと語っていました。横浜市の宿泊数を増やすためにです。
イメージ的にも夜の街が充実しているであろう横浜市が...です。

観光客(お客様)が、その街でどう楽しみたいかをちゃんと考えるべきです。
夜に楽しめる飲食店などが数多くあれば、そこを宿泊地に決めたいはずです。

海外の観光ガイドブックには、「奈良は昼間の3時間でよい」と書かれているそうです(笑)

奈良県は客室稼働率が50%にも満たないのに、宿泊数が少ないのは夜の楽しみではなくホテルが足りないからだという行政の声もありますが...それは本当に観光客(お客様)を考えてのことなのかどうか(苦笑)

これをビジネスにおいて考えてみると、例えば新店舗を出店するとした場合に、お客様の来店理由やどう楽しんでいただくかをちゃんと考えているかどうかです。

「いいものを作れば勝手に売れる」これは高度成長期の「モノの時代」いわば昭和の考え方です。

それは一過性で売れるかもですが、しょせん「モノ頼み」それを商売というのはどうかと考えます。
まるで「大仏商法」。
今は「いいものを、魅力を正しく伝えなければちゃんと売れない」そういう時代です。「モノ」を活かすかどうかも、デザインを含めたソフト面の充実が必須なのです。

日本の有名家電メーカーが、平成の時代から経営難に陥ったのもこういうことが要因の一つではないかと考えます。

「いいものを作る」ハードと、「ちゃんと伝える」ソフトがちゃんと両方とも噛みあうならば、本当のいいものになると考えます。


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